宮前法律事務所ブログ

2014.12.11更新

 このように生活保護受給者の方でも相続ができます。
 ただし,相続により遺産が入ってきて生活保護の要件をみたさないようになれば,当然生活保護は中止あるいは停止となります。
 また,気をつけなければいけないのは,相続の効果は相続開始つまり被相続人が亡くなった時点にさかのぼることです。つまり,その時点で財産があったことになりますので,その分,その時点から受給していた保護費の全部または一部については,もらいすぎていたことになり,返還(生活保護法63条)しなければならなくなることです。
 長期間遺産分割で争ってものちのち手元に残らないということはありえます。気をつけましょう。(つづく)

投稿者: 宮前法律事務所

2014.12.07更新

 遺言がなくて,生活保護を受給している方だけが相続人の場合は,相続するかどうかだけが問題になるだけです。
 しかし,他にも相続人となる方がいる場合は,何をどう分けるかという問題がでてきます。
 まずは,相続人の間で遺産分割協議をすることになります(民法907条1項)。協議ができないときやまとまらないときは,家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて,裁判所に間に入ってもらって協議をすることになります。しかし,それでも決着しないときは,家庭裁判所に審判という形で判断をしてもらいます(民法907条2項)。
 調停ですと,当事者が合意さえすれば比較的自由に遺産を分けることができますが,審判となるとそうはいきません。現金や貯金のように単純に分けられるものならいいのですが,不動産のように分割できないものには,持ち分がつくだけになってしまって,自分の自由にしようと思うと後で共有物分割の手続き(最終的には裁判で決着)をとらなければなりません。費用の時間もかかることになります。
 また,遺産の範囲そのものに争いがあるような場合は,一般の訴訟で範囲を確定してから,家庭裁判に判断してもらう必要もでてきます。
 さらに,債務も相続することになるのですが,かりに相続人間で誰かが単独で債務を負担するとしても,対外的には,相続分で相続したことになりますから,債務を負担するといった方が債務を履行しないと,後で請求されることが生じます。したがって,注意が必要です。
 このように問題が生じがちですから,遺産分割をするときは,早めに法律相談などを受け,できるだけ調停で決着するようにするのが得策でしょう。(つづく)

投稿者: 宮前法律事務所